本文サンプル

(※WEB用に改行/編集を加えています)




【新×かなで/響也×ニア1:冒頭】


ローカル線を幾つか乗り継いで、新幹線に乗ったとき。
響也は複数の荷物をできるだけ棚に乗せ、余ったぶんは足元に揃えて、
漸く、と言ったふうな大きな息をついてシートをリクライニングした。
検札に来るかもしれないから、切符はまだ仕舞わずに、簡易テーブルを引き出して置いておく。


ラッシュのピークの過ぎる時間を読んで取っていた切符である。
勘は当たり、指定席はガラガラに空いていてほぼ貸し切り状態。
リクライニングするにも誰に遠慮をする必要もなかった。


「チップスター食べる?」


窓側から声を掛けるのは幼馴染みのかなでである。
小さい頃から行楽と言えば、かなでの買うのはその菓子だったな、と思いつつ、
響也はめんどくさそうに返した。


「…いい。眠い」
「そうなんだ。おいしいのに」


美味しいのは知っている。
パリッといい音が上がっていることから、湿気てはおらず状態も良さそうであるし。
しかし言ったように眠いのだ。


新横浜まで数時間、漸く後は眠っていればいいというところまで漕ぎ着けたこの一日だ。
決して都会でない故郷から、決して田舎ではないところへ出向くのはなかなか骨の折れる仕事である。
繰り返しになるが、ローカル線を幾つか乗り継ぐ必要があった。
コトコト揺れる電車に乗って通過した中には無人駅も含まれている。
接続が悪くて一時間ほど待合室でぼんやりしたりもした。


そして、新幹線が動き出す十五分は前にホームに到着した響也とかなでだった。
案の定、反対側で待ち合わせていた各駅のほうに乗りかけようとしたかなでに声を張るところから、
この日の最終戦はスタートした。
以下はそのときの模様の抜粋であるが。


「おいそっちじゃねぇって」
「でも新幹線」
「こっちに来んだよもうすぐ。速ぇのが」


つかよく見ろと、響也は旅行会社から渡された行程表を突き出して指先でビシと示してやる。
かなでは怪訝そうな顔でゴロゴロとスーツケースを引きながら戻ってくる。
随分おしゃれをしているが、そんな暇があったなら他に色々と確認をしておいて欲しいものだ。


「十三番線。十四時三十四分発。この文字が見えるか」
「――見える!」
「よし並べ」
「ラジャ」
「……」


大丈夫だろうか。のっけからこれでは幸先たいへん不安である。


とにかく荷物を持っていた。なんせ旅行でなく転校だ。
このホームにたどり着くまでにひとつの忘れ物も脱落者も出さず、
一応無事に進んでいるのはかなでではなく響也の努力のたまものだ。
かなでの祖父はこのあたりをよくよく先見の明に見たと見えて、
本来転校する意思のなかった響也まで巻き添え転校させられるハメになったのも、お見事と頷くしかない。


――というような経緯で、
席について一息ついた途端、どっと肩の荷が降りたのかもしれない。
疲れだとか、ミスのできない緊張感だとか、そういったものが。


響也はアイマスクをパチンと頭に装着しながら腕を組む。
暗くなった視界は、神経が現在最も潜在的に気にしている事象をこころの淵から引き出す力がある。
だから、先程「眠い」と言ったのにはやや語弊があり、
本当は落ちついて少し、頭を整理したかった。


意思はともかく、転校する必要は全くなかった響也である。
かなでは、先日のヴァイオリンの発表会で何かしら決意したものがあるらしく、
納得のいく音楽をやるためには横浜へ行く必要があるという。


それはそれで、わからないではない。
響也もかなでと一緒に小さい頃からヴァイオリンを習ってきた。腕にはそれなりの覚えもある。
だが、こと「音楽科」へ進学するとなると話は少し複雑になる。
音楽科なら音楽はできて当たり前、コンクールなんかに引っ張り出される機会もあろう。
音楽科の看板を背負って出場して、ヘタな演奏ができるかと。


つまりこれを機に、響也から逃げ場がなくなったのである。
ごく普通の高校生と同じく、ごく普通の普通科に通い、
片手間に弾いたヴァイオリンが案外評判がいいんです、なんて甘いことを言っていられなくなる。


(……めんどくせ)


それも二年生の半端な時期になってわざわざ転校してくるのだ。
鳴り物入りの転校生と言ってもいい。イヤでも注目の集まることが目に見えている。
かなでと比べられることもあろう。
ただの幼馴染みがこの夏ライバルに変貌する、それもこれほど簡単に。
世知辛い。


ただ唯一の幸運は、故郷に置き去りにしてきたものは特になかったということだろうか。
仲の良い友達は何人かいたが、これで一生会えない訳でもないなら、
抱き合って涙の別れをするほどのことでない。
遠距離恋愛になることを心配しなければならない恋人も、幸か不幸かいなかった。
だから必要は自分自身の覚悟だけだが、それがなかなか先に立たないだけで。


そういう意味では、きょうはかなでがいちいち面倒を起こしてくれて良かったのかもしれない。
自分が転校することの意味、その不安、葛藤、色々な負の感情を思い出して、
ちゃぶ台をひっくり返すが如く途中で引き返すことだけは免れたのだから。


「かなで」


アイマスクを持ち上げて、左手をかなでのほうへ差し向けた。


「やっぱり食べる?」
「三枚のせろ」
「えっ三枚? わりと食べるね」


かなでは仕舞いかけていた容器のフタを空け、
三枚でなく五枚ほどを響也の手のひらに乗せた。
気が利くではないか、と思いつつ、パリと摂取する塩気が身体を幾分しゃきっとさせる。









【新×かなで/響也×ニア2】


よく通る声を張り上げて駆けてくる新を見据え、仁亜はかなでへ耳打った。


「いつものが来るぞ、小日向。構えろ」


と、頷くかなでの手からトレーを抜き取ったところへ、新が全身でダイブした。


「超ーナイスヘディングかなでちゃん!」
「ッ、新く――」


新の胸へと、かなではすっぽり抱えられて見えなくなってしまった。
苦笑する仁亜の手元でカラカラと氷がまわる。
間一髪でグラスと中身、そしてかなでも無事であったが、
一連を傍観した響也は生きた心地もなさそうな顔をしている。
妙に力が入っていた手元からボールが抜け落ちて、足元を力なく転がっていく。


「……い、いい連携だったな、ハハ」
「だろう?」


仁亜は響也にそう返し、傍らのまるいテーブルへ飲み物を並べ始めた。
よく冷えているらしく、グラスまわりの無数の水滴が涼しげだ。


「あの、ちょっと、苦し……いんだけど…!」


わたわたともがくかなでのくぐもった声が漏れた。
必死に握りしめた手で新の背中を打っているが、
新には堪えもしないのか、ハグを緩める様子はない。


「あーまだ心臓バクバク言ってる。ホントにホントに、すっげー可愛かった」
「そ、それならよかった、けど……」
「そのへんにしておけ水嶋新。小日向を圧搾するつもりか」
「つーか謝んのが先だろ。お前も共犯だぜ」
「あぁそっか、そうだった」


響也の呆れた声に、思い出したように胸を剥がし、
猫背を元に戻した新の少しも悪気のなさそうな顔がかなでの瞳に映る。
そのうんと上げた視界から、伸ばされる手のひらが額にそっと沿ったとき、
かなでもまた思い出したように頬を赤らめたのである。


「ゴメン、ちょっとハメ外しすぎたね。どこもケガしてない?」
「な、ない」
「一件落着だな。飲み物の用意はできているぞ。休憩を入れてはどうだ?」


既に腰掛けてくつろいでいる仁亜が呼ぶ。
ジュースが四つ、コースターに置かれて行儀よく並んで、そのすべての色が違う。
暑気に茹だった身体には恰好の誘惑材料だ。
日陰のテラスの四つの椅子は調子良く埋まり始める。


かなでを奥に入れながら、隣に座った新は椅子をガタガタとやって、
距離を更にひとつ近づける。
そう簡単には逃がしそうにない独占状態に違いなく、
仁亜はそれを揶揄しながら響也を呼んだ。
地面に書いたスコアボードを足で消そうとしている。


「如月。早く来たらどうだ」
「あー?」
「ジンジャーエールがお待ちかねだ。きょうは、ちゃんとウィルキンソンにしておいたぞ」
「お、マジか」


ドライタイプの、生姜の味のすこぶる効いた琥珀色のそれを一瞥し、
響也は、消すのはやめて赴いた。
長椅子との隙間へ身体を入れながら、
ジンジャーエールが配置された奥へ入るとき、ややバランスを崩したか、
仁亜の肩で支えるようにして手のひらを置いたのを、新の目線がチラと追う。


昼間から乾杯でもないが、
未成年らしく四つの清涼飲料がそれなりの高さに掲げられて、
その中心で涼快な音を上げた。


「で、守備はどうなんだ?」


ストローをさし入れたアイスミルクをほんの一口飲んだだけで、
仁亜は早々と腕を組んで口火を切る。
話題は響也と新の試合経過で、響也の顔が渋く歪む。


「……いまんとこ2対0か?」
「って言えば聞こえがいいけど、点数に直すと10対3だよね」
「響也が3?」
「お前らうるせー」
「これはこれは、予想の範疇とは言えつつましい成績だな」


歯に衣着せぬ物言いだが、これは仁亜の専売特許である。
響也はガクリと肩を落としたが、めげずに反論する。


「あのなぁ、コイツ185あんだぜ185。最初からラスボス当たった身になってみろ」


確かに、とかなでが口を挟み、
ストローをカラカラとかき回しながら、隣の新を上目に見た。
背の高さを確かめるだけの視線だったのだが、
新はそれを良い機会にして「交換〜」と自分のオレンジジュースと引き換えに
かなでのカルピスを奪って飲んだ。


「…!」


説明不要の間接キスに、かなではあからさまな狼狽を浮かべた。
応戦して自分でもやってやろうとするが、結局やってみるだけに終わり、
オレンジ色のグラスを両手で握りしめる。


「じゃ、じゃぁきょ、響也は何センチあるの?」
「……お前な」
「小日向、どうやら傷口に塩を塗ったようだ」
「えっ塩? これオレンジだよ」
「やっばかなでちゃんやる〜! 腹筋崩壊」
「そうだな、十センチは低いんじゃないか?」
「おい! むしろお前が塗ってんだろ」
「まぁそう吠えるな。3点だが、取れただけでも奇跡だと、そう言えと言うんだな」
「……ンなこと言ってねーよ」


響也はわかりやすく赤くなり、仁亜を軽く小突いたが、
仁亜のほうはカラリとした高笑いを見せるだけでは甲斐もあるまい。
いまに限らず顔を合わせれば小競り合っている印象の二人だが、
かといって仲が悪いというのでない。
地方大会でも、その事前の説明会のときにも、
ふたり連れで顔を出していたのは選抜メンバー全員の知るところだ。


夏休みらしい夏休みが来ていた。
空梅雨が明けて暑さは更に増していたが、四人はこうしてよく外に出ている。
涼しい部屋でゴロゴロしているのも至福だが、
入道雲のふっくらと嵩を増すのを眺めていると、どこからか期待が沸いてくる。
じっとしているわけにいかないような、心臓の高鳴る音はそんなふうに聞こえてくる。


外に出てみれば誰かに会えることを本能が知っている。
会いたいひとに会えるかもしれないこと――
夏は、惹かれあう少年少女を近付ける魔法のような力がある。









【新×かなで ※R18のとこちょっとだけ】


オレたちもする?


離れちゃう前に、なんてしんみりしたことをつい言ってしまいそうになる。
が、そういう気持ちを我慢して、軽く自分らしく誘いたかった。
初めてだから、きっとずっと覚えていくコトだから、どうせなら楽しくするほうがいい。


「オレはしたいな。かなでちゃんと、もっとやらしいこと」
「……痛いって聞いた」
「最初はたぶん痛いけど、気持ちよくするから」


懇願に見えるだろうか、あまり格好の良いことでない。
つくりもののようなやりとりが、普通に自分たちにも起こることに焦る。
戸口でするような話でもないが、かなでの両手をとって切々と新は訴えた。


「こんなに大好きなのに、痛いだけで終わらせるはずないじゃん。オレ自信あるよ」
「私だって好きだよ、大好き。でも…」
「なんか複雑ー。オレのことスキなのにエッチはやなんだ?」


我ながらひどいことを言っていると思う。
痛いのが怖い、それは注射でもケガでも噛まれるのもそう、確かに歓迎したくない。
どちらかと言わずともイヤである。


わかっていても、肩が落ちた。
絵に描いたように、がっかりと落ちる。


「……新くんだもんね」


降って沸いたような言葉で、かなでが話しかけた。
洗いざらしの前髪がなでなでとされている。


「……え?」
「わかったかも。こんなに好きなのに、怖いだけで終わっちゃうはずないよね」
「え……っと、ていうか……怖いと思う、けど」


今更に同情すると、かなではサッパリとした顔で笑んだ。
いつもはほとんど意識することはないのだが、いっこ上の余裕を見せつけられた気がする。


「好き」


かなでから身を寄せて来たことに、新のほうが安心させられていたのである。


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電気を消すのも忘れて、かなでの手を引いてベッドに乗せたのだった。
が、組み敷くでもなく、まだ半端に座った姿勢で向き合っていた。
壊れそうに思う身体を、どこともなく手のひらで少しずつ触れながら、首筋に軽く口付ける。


「ん…」
「ここ好き?」
「……ん」
「じゃぁ……ここは?」


唇を下降させて鎖骨を甘く噛むと、ぴくとかなでの身体が跳ねた。
好きなんだ、とわかったところから何度も口付けて、緊張がほぐれるのを待っている。
たったそれだけのことなのに、ひどくいやらしいことをしているような気になる。


そんな気持ちが新を加速させて、吸い上げた肌にあかい痕が残るようになる。
かなでの所在なさげな息遣いにも、甘みが混ざり始める。


「気持ちいい?」
「わ、かんない」


その返答には不満だった。
わからないほど微妙な技術であるのだろうか、
他に評価された例もないし、そうかもしれないがややショックだ。


闘争心をくすぐられて、新はかなでの胸のボタンに手を掛けた。
脱がしやすそうな服を着ているが、首からすっぽりと取り払ってしまうのはあんまりかもしれない。
そう思っての正攻法だったが、ビクッと大きな抵抗を感じる。


「どうして? やだったり?」
「……だって」


乱暴にはしないのに、ゆっくりひとつひとつ外すだけなのに、
非常に困った顔をするのである。
手の入るぶんだけ外して差し入れようとしたとき、かなでの焦り切った制止が上がった。


「小さいからっ…!」
「……へ?」


思わず手が止まる。


「だ、だから、胸! 私大きくないからっ」


赤いあかい顔が俯く。泣きそうになっている。


「……気にしてた?」


ぐうと黙るのがものすごく可愛い。


「やっぱり電気消そっか」
「……うん」
「それならいい? 触っても」
「……」
「ちょっとだけ」
「……」


どれだけ思案するのか、しかし新は辛抱強く待って、
こくんと首を縦に振るのを見届けたのである。


豆電球のオレンジのなかで、ボタンはすべて外すことができた。
はらりとひらいて裸にした胸は、かなでがああいやがるほど小さいとは思えない。
上向きで形がよくて、中心でツンと主張している乳首も、含みたくてたまらない。
新の着衣の下で、先端がぴくと首をもたげる。


「恥ずかしいならオレのも触る?」
「え」
「ふたりでしたら恥ずかしくないって」


かなでは迷っているが、興味がないでもないだろう。
全くないと言われたらそれはそれで問題な気がする。
持論に則り、新はかなでの手首を持ちあげて、着衣の中まで誘導した。
下着の外で勘弁するか、直接にするか、一応迷うことは迷ったのだが誘惑に勝てなかった経緯がある。


(いいじゃんどうせそのうち見ちゃうんだから)


かなでの無垢な手のひらは、ごっそりと下着の中へ収められて、
届いたまるみを反射的に握っていた。


(……超積極的〜)


一瞬の無言がある。









【響也×ニア ※R18のとこちょっとだけ】


浴衣の肩身を落としてやると、
ちりちりと鳴るかんざしを抜いて、仁亜は手櫛を入れながら顎を上げる。


その仕草、白い腕、
まるめていたせいで少し癖のついた髪が胸元へ降りてくるときの穏やかな軌跡も、
空気が触れるより先に、ぜんぶ自分のものにできたらいいと思う。


崩した座り方で股の間にいるのが多分に艶めいていて、
響也は誘われるように手首を掴んだ。
シーツを滑る軽い身体を引っ張って、上体を起こさせて腰を抱く。


跨いだ太腿をもう少し広げさせて、宛てがう付け根を覗いたら、つつと垂れてきている液体がある。
涼しい顔をして、その実ひどく欲しがっているのだと思うと、
腰が待ちきれない疼き方をして、同時に何故か胸がせつなく締めつけられた。


反るほどに勃ったのに手を添えて、まるみをほんの少しだけ埋めてみた。
もう何度もいれたそこは馴染みが早く、
形のとおりに吸い付いて、すぐに響也を奥へ連れて行こうとする。


「っ……や、べ」


焦らすように、その実自衛に、浅いところでくちゅくちゅと音をさせる。


「如月、も……っと」
「もっと?」
「……感じるところは知っているだろう?」


知っているが、こちらも苦しいところだ。
仁亜がしゃぶったことで、中の血流が増している。


「どうすればいいか、言わねーとやんねーぞってとこか」
「では言うが」
「……マジか」


無論時間稼ぎのつもりだった響也は、伸びてきた両の腕に冷たい唾を飲んだ。
抜けないように腰つきを工面しながら、仁亜は胸を密着させて響也の首に腕を回す。
ほぼ完全に脱がせたと思っていた浴衣だが、
腕にはまだ袂が引っかかって残っており、涼しげに身体に触れるのさえ刺激になった。


「よく聞くんだぞ」
「……や、ちょ、ま」


耳たぶに、滑らかな唇が触れてぞくりとした。
内緒ばなしは、暗がりですればこれほど艶かしいものになるらしい。


「ヤってくれ」
「――」
「それも、私がもっと気持ち良くなるようにだ」
「そうハッキリ言われっと腰にクるな」


唖然とするほど、してやられたと思った。
ここまでか、とある程度の覚悟を決めて、
響也は仁亜の腰骨に指をくい込ませると、深いところへ狙いを定める。
反動をつけて、ずぷ、と遠慮ない塊を挿しいれた。


「ンぁ……!」
「声出んじゃねーか」
「……そ、れを言うな」


長さがすべて埋まるように、下方へ力を掛けてしゃがませる。
深みを探られるごとに仁亜の表情から繕いが消えて、ほろりと柔らかく姿勢を崩す。
一部始終を観察しながら侵していくのは壮観で、
足を広げさせては徐々に律動を強めれば、直径の隙間から愛液が沁み出して根元まで濡らす。


「そこは……んっ……あ……」
「もっと良くなるようにッつったんだろ、自分で」
「如月…!」


と、逃れたいようなことを言っているが、仁亜の腰遣いは決してそうでない。
響也の括れが、仁亜の感じる点を通過する度に双方で体温を上げていて、
動けとも言わないのに勝手に動かしてしまうように見える。




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